医師法とレーザー脱毛

エステサロンのレーザー出力が低いわけ

かつて、エステサロンでも針脱毛やレーザー脱毛は普通に行われていました。
しかし、その行為が医療行為と判断され、医師のいないエスサロンで行われることが医師法に抵触する違法行為となりました。
これは消費者問題の視点からも、高額なレーザー脱毛をその場で契約させる行為が目立ち、クレームも相当数集まりました。

そこで2001年には、厚生労働省が、医師免許のないレーザー脱毛は医師法違反との通達を出すこととなり、エステサロンは、医師法に触れない範囲まで出力を抑えることで、対応するという結果になりました。

医師法違反で逮捕

しかし、この通達でエステと医師とが行う脱毛について明確に線引されたとしても、逮捕にまで至るエステは現れてきました。

2009年、近畿・中国地方を中心に展開するエステサロンのチェーン店が医師法違反で摘発されました。医師でないエステサロン従業員にレーザー脱毛を行わせていたという容疑でした。
このサロンの顧客の中には、レーザー脱毛による火傷などの被害にあった人もいたといいます。

2012年にも近畿地方で同じように摘発がありました。
やはり医師免許のないにも関わらず、20代女性に脱毛した容疑でした。
この年には、東北でも「光脱毛」を行った疑いで、医師法違反で逮捕者が出ました。

2014年にも、近畿地方で逮捕者が出ました。
新聞によると、ここのエステサロンでは、8年前から脱毛の医療行為を行っていたようです。

医師法違反エステの被害者

このように通達後も逮捕者が続出したことを受け、厚生労働省でも独自の調査を行い、その結果を発表しました。

エステでの脱毛利用者の中には、健康被害を訴える人が相当数いることが判明しました。特に目立ったのが火傷で、324人の患者の中で41%がエステ脱毛による火傷を負っていたという驚くべき事実が分かったのです。

さすがに現在は、火傷のリスクの少ない出力を抑えたものを使用し、それ以降の目立った逮捕者も被害者もないように思えます。

脱毛をめぐって、様々なドラマがあったことを知っておいて損はないかもしれません。

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